テレ朝ワイドスクランブル取材。美容室倒産過去最多について解説。
激しさを増す美容室の倒産数過去最多について、テレビ朝日ワイドスクランブル(1月28日全国放送)に美容プロデューサー・美容コンサル専門家として取材、出させていただきました。
1月27日にビジネスジャーナルに「美容室業界、格安予約サイト&格安店登場以後で常識激変・・・”格安でも良質”店増加の背景」に掲載後、同日テレビ朝日から取材のご依頼がありました。
2019年に美容室倒産数が過去最多の119件、その背景に何があるのか、また急激に増えている開業数について競争が激しくなっていることについて解説しました。
最近出現したハンモッグでカットする美容室、ウェイトレスのコスプレで営業する美容室、トレーニングをする美容室、オムライスを出す美容室などとの関係性についても質問されました。
今日は取材された内容を含め、今後の美容界について解説していきます。
目次
テレ朝ワイドスクランブルから取材のご依頼
テレビ朝日ワイドスクランブルから1月27日に取材依頼のご連絡があり、1月28日の全国放送で出させていただきました。
テレビ朝日ワイドスクランブルでは急増する美容室の倒産「美容室が過去最多、店舗数は増え続けるワケ」について専門家として取材されました。
この美容室倒産件数は2019年10月頃から加速していると各メディアで取り上げられていましたね。通常の倒産件数よりもかなり早い倒産数だったので、昨年11月にビジネスジャーナルからも取材され掲載されました。
実際には厚生労働省やリサーチ会社に届け出がない休業や廃業を含めると、もっと多い閉店数ではないかと思っています。
美容室倒産数よりも開店数が異常?
取材で多く聞かれるのが、美容室の倒産が急速に高まっている背景は何かあるのではないか?ということです。
その点に関して言えば、美容室の倒産数よりも開店数の伸びの方が急速、ここ20年間で5万店も増加していることを伝えました。
私自身は倒産数よりも開店数の方を注目しています。その件に関しても「なぜ同じエリアで美容室が開店するのか?」「競合してしまわないのか?」などについて言及させていただきました。
また昨今では競争が激しいために生き残りをかけた美容室が、特殊なサービスをしていることに注目が集まり取り上げられていました。
ハンモックでカットする美容室、ウェイトレスのコスプレ美容師、トレーニングをする美容室、オムライスを出す美容室などが出現しているようです。
この件に関しても聞かれましたが、美容室の特殊なサービスは今に始まったことではなく、今まで様々なサービスを展開しては消えていった美容室は数知れずありました。
1980年代頃には、原宿などではブレイクダンスをしながらカットする、忍者スタイルでカットするなど話題になりましたが半年以内には店舗ごと無くなっています。
一時的に話題にはなりますが、いちげんさんにしかならず一時しのぎにしかなりません。
3年で7割が離職する美容業界
美容室の倒産では、美容師の離職の問題点についても解説しました。
入社3年で離職するのは美容業界だけではないですが、他業種ではその他サービス業21.1%、服飾販売業が30%、外食産業では45%です。
美容師の場合、入社1年目の離職は45%、3年目では72%、5年目では88%の離職になっています。
そのためアシスタントからスタイリストになった頃には7〜8割が離職します。売り上げを上げるスタイリストに育てられない育成の問題、また労働環境の悪さも改善できていない、などがゆくゆくは売り上げを上げられる従業員を抱えることができず倒産に至る結果になっていると解説しました。
格安店の増加による影響
美容業界では格安店というのはもともといつの時代も存在し、チェーン店化しては消えていきました。
それよりも大きかったのは1000円カットの出現で、カットのみ、10分1000円で時短、余計なサービスを抜いた当時としてはかなり珍しかったと思います。
シャンプーやマッサージ、パーマやカラーの施術も省くことで設備投資もかからず数坪の規模でも開業できること、美容師一人で完結するマンツーマンスタイルでした。(マンツーマンのパーソナルスタイルはもともとありました)
当初はあまり美容にこだわらない男性サラリーマンや中高年世代の男性がターゲットで、安かろう悪かろうという噂で競合視していなかったと思います。
ですが実際には1000円カットの美容師の技術が低いかと言えばそんなこともなく、女性客も多く受け入れられました。
というのも、通常の美容室の業務の労働条件の悪さから、多くのベテラン美容師が1000円カットの会社へ転職しました。
また銀座に1000円カットが出店し朝から多くの女性客が開店前からずっと並ぶなどのニュースも話題になりました。
日本の経済低迷による経済格差から、時代にも合っていたと思います。
私が思うこと。今までの美容界とこれからの美容界。
私が思うこれからの美容界について。今までの美容業界は戦前から始まり、戦後はヴィダルサスーンのカットが多くの女性が面倒なアップスタイルから活動的なカットスタイルに変わりました。
これは多くの女性を解放し、戦前から続く女性の家庭に入るだけではなく社会参加ができる幕開けになったんですよね。これより少し前には多くの女性を締め付けていたコルセットをなくしたシャネルのデザインが登場しファッションの世界から大きく変わりました。
70年代のウーマンリブの頃には、聖子ちゃんカットが流行り各地でコンクールの幕開けとなりました。
今でも日本の美容界ではコンクールなど技術を競うことは盛んですし、サロンでは先輩から後輩へと指導を受けます。
古い体制が続く美容界。社会的地位は低いまま。
私の両親とも美容師で、家にはお弟子さんが多く住み込んでいましたが、この当時から職人の師弟関係や古い労働条件が今も美容界には根強く残っています。
アシスタントの給与は200万円ほど、美容師の平均年収も284万円と最下位です。
技術一辺倒の時代が長く今も続いていますが、現代の児童が今の美容界の現状を知ったら、希望者は減るのではないかと思っています。
また日本の現代の児童の社会的スキルの低さからコミュニケーション能力が低く、職場やお客様との人間関係の構築が難しいことも離職の原因だと思っています。
根本的なマンパワーであるスタッフ育成に力を入れ、労働条件を整えなければ、ますます美容室の倒産は増えるでしょう。
まとめ・・・テレ朝ワイドスクランブル取材と出演。美容室倒産過去最多について。
美容室の倒産は、複雑な要素を絡んでいて問題点が多いです。今後は美容師の多様化が進み、多くの取捨選択をするでしょう。
RIKAはこう思うよ。
美容界は変革の時。
RIKA