美容室の閉店激増の取材。ビジネスジャーナル掲載されました。
2019年に理容・美容業の倒産が過去最高になり119件になった、バブル期1989年以降30年の中で最高の倒産率になったということで取材のご依頼がありました。
急速な倒産数の増加で美容界で一体何があるのか?異常ではないか?と話題に。しかしながら実際には美容室の閉店数を上回る開業数があり、10数年前より5万店以上増えています。
美容室の閉店について取材の内容はビジネスジャーナルサイトに3ページに渡り掲載されています。
「美容室業界、格安予約サイト&格安店登場以後で常識激変・・・”格安でも良質”店増加の背景」
私自身が懸念しているのは若年層の美容師(20〜30代)の社会的スキルが弱く、コミュニケーションが取れないため人間関係の構築難があります。
また労働条件の悪さが改善されていないため、美容師の離職が止まらないこと。
社会全体ではIT化が進みwebやsnsに対応していない美容室が多いこと、webの対応の遅れからweb集客できずに個人店舗ではますます集客が難しくなると思います。
今日は取材された内容と合わせて書いていきたいと思います。
目次
取材は美容室の閉店数が過去最高について
取材は2019年12月に理容・美容業の閉店について、1989年バブル期以来30年間の中で過去最高更新し119件という統計が出ました。*日本産業分類(小分類)の「理容業」「美容業」の倒産にて
実際には休業中や、廃業届を出していない店舗も多く見られ、数千件ではないかと思います。この統計も「理容・美容業」ですから、理容室・美容室以外にもエステやネイル、マツエクなども含まれます。
当初は倒産件数の速さについても聞かれましたが、飲食業や宿泊業などと比べてもそんなに異常な数字ではないと思っています。私自身は、119件の倒産数よりも開業数の増え方の方に注目しています。
2019年 理容・美容業の倒産件数
- 過去最高更新し119件
- 休業中・廃業届を出していない店舗も多く数千件
引用元:厚生労働省 理容・美容所
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/index.html
美容室の平均客数と平均客単価について参考に読んでみてくださいね。
⇒危ない!美容室の平均客数と平均単価で経営困難な平均年商がわかる。
開業資金の安さで激増?
美容室(エステ・ネイル・マツエク含む)は開業資金を低く抑えることができるため、開業しやすさもあると思います。
イニシャルコストは200万ほどでも開業できること、そのため個人事業主が多く一人美容室が増えています。
一方、資本力がある大手会社はチェーン店、フランチャイズ展開をしており数十〜100店舗以上と多店舗展開狙いで参入。
商業地や交通至便に立地は比較的新しい店舗で法人経営の中規模・小規模経営、個人事業主は住宅街など地域店舗型、年齢層も経営年数も長い中高年の経営者と二極化が進んでいます。
また美容師の多様化も進み、店舗に属さないフリーランス、それを狙うシェアハウスも増えています。
開業資金の安さから激増
- イニシャルコストは200万ほどでも開業できる
- 個人事業主が多く一人美容室が増加
- 商業地や交通至便に立地は新しい店舗⇒法人経営の中規模・小規模経営
- 個人事業主は住宅街の地域店舗型⇒年齢層も経営年数も長い中高年の経営者
- 店舗に属さないフリーランスとシェアハウスも増加
引用元:厚生労働省 (図6)従業員規模別施設数の構成割合
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/index.html
引用元:厚生労働省 (図7)従業員規模別経営主体別構成割合
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/index.html
引用元:厚生労働省 (図19)経営主体別1施設当たりの常時雇用者と臨時雇用者(単位:人)
URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/seikatsu-eisei/index.html
美容業界の人手不足の記事についてはこちらの記事に書きました。
⇒美容室の77%はスタッフ不足で経営悪化。3年で7割は離職。具体的な解決策。
営業年数が浅い店舗は6割不振
営業年数が浅い店舗の6割は営業不振、売り上げは58.4%減少し、利益は60.5%も減少しています。
平成29年TKC経営指標では美容業界の売上高に対する営業利益率は前年比0.1%上昇し0.4%になっています。
小規模ほど厳しくなっており年間売上規模0.5億円未満の店舗では、前年比-o.1%で-1.8%になっています。
つまり、ちょうど30歳前後〜39歳までの経営者で5年前後くらいが厳しいものになっています。
また資本金1000万以下の小規模・零細店舗が閉店数が多い結果になっています。
営業不振は6割
- 営業年数が浅い店舗
- 小規模ほど厳しい
- 売り上げは58.4%減少し利益は60.5%も減少
- 資本金1000万以下の小規模・零細店舗
多様化する美容師の形態
長い間美容業界にいて思うのは、ここ15年の間にかなり変化があったと思いますよ。
激安店はそもそもありましたが、1000円カットの出現は大きかったと思います。この頃から航空会社にも見られた、過剰なサービスを引いた激安チケットなども出現しましたよね。
1000円カットは当初サラリーマンなど忙しい男性向けがコンセプトやターゲットだったと思いますが、多くの女性にもウケたんですよね。
過剰なサービスを省く、短時間、カットのみ、1000円は切り口を変えれば、忙しい女性にも当てはまります。日本の経済格差による低価格帯が合っていたと思います。
またクーポンサイトの出現により低価格競争がますます激しくなり、資金力の弱い小規模店舗は掲載広告費がかさむわりには集客できない現状もあります。
多様化する美容師形態
- 15年の間にかなり変化
- 1000円カットの出現
- 日本の経済格差による低価格帯
- クーポンサイトの出現により低価格競争
美容師の働き改革法についてこちらの記事を参考に読んでみてくださいね。
⇒美容室の働き方改革法。労働生産性を上げ人手不足を解消。
美容師の若年世代(20〜30代)はコミュニケーションが苦手
もう一つ問題だと思っているのは若年美容師(20〜30代)のコミュニケーション能力の低さです。
現代日本では児童から青年期に社会的スキルを学ぶ機会が少なく、学生から美容師になり就職しても社会的スキルが低いために職場の人間関係やお客様とのコミュニケーションが取れないことが目につきます。
広い範囲で防衛的に浅く仲間や友人と付き合う傾向、つまり傷つくことを恐れたり本音を言わないことが多いです。
就職してから職場のスタッフ、同期や先輩、後輩との人間関係がうまく作ることができないように思います。
美容師や美容室は「人対人」の仕事で避けては通れませんが、3年で72%が離職する背景はここにもあると思います。
コミュニケーション能力の低さは美容師にとっては致命傷です。なぜならスタイリストになり、お客様と1対1で担当するのは本人だけになります。
悩みを聞き出し、オーダー以上の提案をし、ご指名をもらいリピートしてもらうという流れはスタイリストの仕事です。
他業種よりもかなりお客様と接近しコミュニケーションを取らなければならないため、苦痛に感じていると思います。
毎日職場で会うスタッフ間ともそのような傾向が見られるため、数回程度しか合わないお客様とのコミュニケーション能力はかなり低いと感じています。
またお客様も同様に20〜30代は、「話しかけないでほしい」というチェック項目がクーポンサイトにあるくらいです。(クーポンサイト利用者は20〜30代)
若年美容師のコミュニケーション能力
- コミュニケーション能力の低下
- 3年で72%が離職する背景
- コミュニケーション能力の低さは致命傷
見ているとコミュニケーションが取れない美容師とお客様との関係が見えてきます。
RIKA
二極化する経営者層
厚生労働省のデータを見ても、経営者の年齢層や経営年数の二極化が激しいことです。30代経営者以降の年齢層から一気に50代以上の経営者の開きがあります。
特に経営者別年齢層では60〜69歳は32.4%(平成22年は25%)、70歳以上は19%(平成22年は10.8%)と経営者の高齢化が進んでいます。
引用元:厚生労働省 (図4)経営者の年齢別施設数の構成割合
URL:https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu-eisei22/14-02.html
また30代経営者は5年ほどの経験年数しかない、つまり5年経過後に閉店しています。50代以上の経営者は60%以上存在し経営年数は20年以上になっています。
また今現在、後継者不足、そのため廃業を考えているなどの経営者はかなり高く30%以上もあります。
今後は経験年数が長いベテランの店舗が後継者不足から廃業・閉店数が増え、新店舗は増えるものの多くの課題があるため閉店数は増えると思っています。
労働条件の悪さや美容師の離職、コミュニケーションが取れないため人間関係の構築難があります。
社会全体ではIT化が進み、webやsnsに対応していないことは社会参加できていないことを意味しています。webの対応の遅れからweb集客できずに個人店舗ではますます集客が難しくなると思います。
二極化する経営者層
- 経営者の年齢層や経営年数の二極化
- 後継者不足のため廃業30%以上
- 労働条件の悪さや美容師の離職
- webの対応の遅れ
つまり資金力のある店舗がweb広告を多く打つことで、今現在の顧客層20〜30代からそれ以下の世代を多く獲得していきますからますます難しくなるでしょう。
RIKA
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まとめ・・・美容室の閉店激増の取材。ビジネスジャーナル掲載されました。
いかがでしたか?ビジネスジャーナルのサイトでは、美容室の閉店について取材された内容が掲載されていますので是非読んでみてくださいね。またこの記事を読んでくださったテレ朝ワイドスクランブルにも取材ご依頼がありました。
美容室の閉店について取材の内容はビジネスジャーナルサイトに3ページに渡り掲載されています。
「美容室業界、格安予約サイト&格安店登場以後で常識激変・・・”格安でも良質”店増加の背景」
2019年 理容・美容業の倒産件数
- 過去最高更新し119件
- 休業中・廃業届を出していない店舗も多く数千件
美容業界の人手不足の記事についてはこちらの記事に書きました。
⇒美容室の77%はスタッフ不足で経営悪化。3年で7割は離職。具体的な解決策。
美容師の働き改革法についてこちらの記事を参考に読んでみてくださいね。
⇒美容室の働き方改革法。労働生産性を上げ人手不足を解消。
美容室の平均客数と平均客単価について参考に読んでみてくださいね。
⇒危ない!美容室の平均客数と平均単価で経営困難な平均年商がわかる。
RIKAはこう思うよ。
美容室はますます淘汰される。
RIKA