過去最悪ペースの美容室倒産ラッシュは三重苦が原因に。美容業界の危機に?!
美容室の倒産が増加し2024年は過去最多を更新する勢い、過去最悪のペースです。さまざまなデータを読み解くと美容業界全体の危機にも直面していることがわかります。
美容室の倒産が過去最悪のペースで増えている主な原因は5つあり、(1)競争激化(2)物価高騰(3)人手不足(4)ニーズの多様化と変化(5)フリーランス美容師の増加、です。
美容室の倒産は、もはや一部の美容室だけの問題ではなく、業界全体に深刻な影響を及ぼす危機的な状況であることがわかります。
過去最悪ペースの美容室倒産ラッシュは三重苦が原因に。美容業界の危機に?!小規模・零細規模の美容室は、「物価高騰」「人手不足」「競争激化」という三重苦に苦しめられており、早急な対策が必要です。
今日は美容業の専門家コンサルタントとして「美容室の倒産ラッシュ」について取材が多くテレビ朝日で解説した私が、2025年の美容業について最新の情報を解説します。さらに2025年の美容室や理容室、サロン系の店舗の課題と具体的対策も合わせてご紹介しますので参考にしてくださいね^^
目次
美容室の過去最悪の倒産実態と危機的状況
まずは、株式会社東京商工リサーチのデータの具体的な数字から、美容室の倒産の現状を見ていきましょう。
美容室倒産の衝撃的な実態は?過去数字で見る倒産ラッシュ
1. 過去最多を更新!2024年の倒産件数
2024年1月から11月までの美容室の倒産件数は、なんと107件に達しています。これは、前年同期比で37.1%増という驚異的な増加率であり、2000年以降で年間最多だった2019年の105件をすでに超えてしまっています。
この数字から、美容室の倒産が過去にないほどのペースで増加していることがわかります。もはや、看過できない危機的な状況と言えるでしょう。
2. コロナ禍の支援策終了後の急増
2020年から2022年までは、コロナ禍における各種支援策により、美容室の倒産は比較的落ち着いて推移していました。具体的な倒産件数は、2020年が78件、2021年が65件、2022年が70件です。
しかし、2023年になると、これらの支援策が相次いで縮小・終了。それに加え、円安による資材費の高騰や人件費の増加が重なり、倒産件数は急増しました。
このデータから、コロナ禍の支援策が終了したことで、美容室の経営状況がいかに厳しくなっているかがわかります。
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⇒美容室の生産性の平均49万円は信号!赤字経営から脱出するには?
3. 原因の9割が「販売不振」
倒産の原因で最も多いのは「販売不振」で、なんと全体の90.6%を占めています。これは、美容室の多くが、集客や売上を維持できずに経営に行き詰まっていることを示しています。
次いで、「他社倒産の余波」「事業上の失敗」「既往のシワ寄せ(赤字累積)」が挙げられますが、いずれも数件にとどまっており、販売不振が圧倒的に多いことがわかります。
美容室の店販の利益の出し方具体例はこちら
⇒美容室の店販は利益出るの?実はリピートされ失客も防ぐ!
4. 消滅型倒産が9割以上
倒産形態別に見ると、「破産」が96件と最も多く、全体の89.7%を占めています。さらに、「特別清算」の2件を合わせると、消滅型倒産が98件となり、全体の91.5%を占めることになります。
再建型の民事再生法はわずか8件に留まっており、一度経営が傾いてしまうと、再建が非常に難しい現状が浮き彫りになっています。
5. 小規模・零細規模の美容室が苦境に
資本金別に見ると、「1百万円以上5百万円未満」が44件、「個人企業他」が42件と多く、5百万円未満の美容室が倒産の約9割を占めていることがわかります。
また、従業員数別に見ると、「5人未満」の美容室が93件と最も多く、こちらも全体の約9割を占めています。
これらのデータから、小規模・零細規模の美容室が、特に厳しい経営状況に置かれていることがわかります。
6. 負債額の多くは5千万円未満
負債額別に見ると、「1千万円以上5千万円未満」が93件と最も多く、全体の約9割を占めています。
このデータは、小規模な美容室でも、一旦経営が悪化すると、大きな負債を抱えてしまう可能性があることを示しています。
年商についてこちら
⇒危ない!美容室の平均客数と平均単価で経営困難な平均年商がわかる。
厚生労働省データから増加する美容所数と競争激化
次に、厚生労働省のデータから、美容室を取り巻く環境の変化を見ていきましょう。
美容所数の増加が示す競争激化
厚生労働省が10月29日に公表した「令和5年度 衛生行政報告例」によると、2023年度末の美容所数は27万4,070施設で、2022年度末の26万9,889施設を4,181施設(1.5%増)上回り、過去最多を更新しました。
このデータから、美容室の数は年々増加しており、競争が激化していることがわかります。
引用元:厚生労働省「令和5年度 衛生行政報告例」
「物価高騰」「人手不足」「競争激化」で三重苦に
これらのデータから、美容室の倒産は、もはや一部の美容室だけの問題ではなく、業界全体に深刻な影響を及ぼす危機的な状況であることがわかります。
特に、小規模・零細規模の美容室は、「物価高騰」「人手不足」「競争激化」という三重苦に苦しめられており、早急な対策が必要です。
倒産を回避するためには、自社の強みを明確にし、顧客体験を徹底的に追求し、デジタルマーケティングを強化するなど、様々な戦略を実行していく必要があります。
美容室の倒産は、決して他人事ではありません。この危機的な状況を打破するためには、業界全体で意識を変え、積極的に新しい戦略を取り入れていく必要があるでしょう。詳しいことはこちらで解説しています。 RIKA
美容室の倒産が増えている原因5つ
まず、なぜ美容室の倒産が過去最悪のペースで増えているのか、その原因を深掘りしてみましょう。
美容室の倒産が過去最悪のペースで増えている主な原因は5つあり、(1)競争激化(2)物価高騰(3)人手不足(4)ニーズの多様化と変化(5)フリーランス美容師の増加、です。
パリコレ美容師が伝授する高単価デザイン術はこれ
⇒美容師のデザイン力「売れるデザインはこう作れ」パリコレ美容師。
美容室のメンズ単価アップするデザインの提案の具体例はこちら
⇒美容室のメンズ客単価は4067円。単価アップするデザインの提案とは?
美容室の倒産が増えている原因は5つ
では一つ一つ美容室の倒産が増えている主なその原因つを深掘りして解説してみましょう。
1. 競争激化という名のサバイバルゲーム
美容室は比較的簡単に開業できるため、美容室の数は増加傾向にあります。厚生労働省のデータによると、2023年度末の美容所数は過去最多を更新しているんですよね。
これはつまり、競争が激化しているということ。お客様の奪い合いが起こりやすく、新規顧客の獲得も難しくなっているのが現状です。⇒美容室の集客のアイデア18選。広告費ゼロで60人集客する超具体例
2. 止まらないコスト増は物価高騰の波
美容室経営を圧迫しているのが、物価高騰です。シャンプーやカラー剤などの美容資材はもちろん、水道光熱費、人件費まで、あらゆるコストが上昇しています。
特に、円安の影響で美容資材の価格が高騰。この状況は、2025年も続くと予想されており、今後も厳しい状況が続くと考えられますね。⇒美容室の値上げに失敗する3つの事例集。成功ポイント具体例付き。
3. 深刻な人手不足とスタイリスト確保の難しさ
美容業界は、慢性的な人手不足に悩まされています。特に、経験豊富なスタイリストの確保は難しく、せっかく採用しても、すぐに辞めてしまうケースも少なくありません。
スタイリストの育成にも時間がかかり、人件費の負担が増え続けているのが現状です。これは、小規模な美容室にとっては特に大きな負担となりますよね。⇒美容師のz世代と育て方。早期離職を防ぐ教育と求人方法の具体例。
4. お客様のニーズの多様化と変化
お客様のニーズは多様化しており、クーポンサイトなどを利用して、より安く、より良いサービスを求めて常に新しいお店を探しています。
これは、サロンの定着率の低下に繋がっています。お客様のニーズを的確に捉え、常に新しい価値を提供し続けることが求められていますね。美容院ホットペッパー集客できない?予約増加する完全ガイド
5. フリーランス美容師の増加
昨今のフリーランス美容師の増加も大きな要因です。従来の働き方や収入に不満を持つスタイリストが、自由な働き方や収入増を求めて独立する傾向にあります。
フリーランス美容師が増えることで、店舗側は優秀な人材の確保が難しくなり、集客にも影響が出てしまうでしょう⇒美容室の働き方改革法。労働生産性を上げ人手不足を解消。
美容室の倒産の影響は?【問題点を明確化】
美容室の倒産が増えることは、単に経営者だけの問題ではありません。業界全体に様々な影響を及ぼします。
美容業界への影響
一見他人事のように感じるかも知れませんが、美容業界全体への影響もありますよ。その影響が、美容室経営や美容師、理容室や美容系サロンにも波及していくことになります。詳しく解説していきましょう。
1. 雇用機会の喪失で美容師の活躍の場が減少
美容室が倒産するということは、そこで働いていた美容師の雇用機会が失われるということですよね。特に、若手の美容師にとっては、経験を積む場が減ってしまうことになります。⇒美容師のアシスタントの育て方は8つの処方箋でぐんぐん成長する!
これは、美容業界全体の成長を阻害する要因にもなりかねません。
2. 技術力低下の恐れで育成の機会が失われる
倒産した美容室では、これまで培ってきた技術やノウハウが失われてしまいます。また、若手美容師を育成する機会も減ってしまうでしょう。
これは、業界全体の技術力低下につながる可能性があり、長期的に見ても大きな問題です。⇒美容室に求人が来ない!その原因と解決法。z世代の就活人気ランキング1位は?
3. 顧客満足度の低下とサービスの質が低下する可能性
倒産が続くことで、美容業界全体への信頼が失われることになるでしょう。これは新卒者の求人難をさらに増加させることにもつながります。「美容業界」の失望で美容師になる学生も減っていきます。過去1980年代のバブル期にはまさしくこの傾向が顕著に現れました。美容師の人気がなくなり、企業へ就職する若者が増え「美容師難」になりました。
ますます人材確保の低下でサービスの質が低下することになり、お客様の満足度も低下する可能性があります。これは、業界全体のイメージダウンにもつながりかねません。⇒美容室のおもてなしで嬉しかった心に残る感動。おもてなしの心得と具体例
4. 地域経済への影響で街の活気が失われる
地域に根ざした美容室は、地域経済を支える存在でもあります。美容室が倒産すると、地域経済にも少なからず影響があるでしょう。街の活気が失われることは、地域社会にとっても大きな損失です。⇒個人サロンの集客は地域密着で集客できる!具体例と成功事例集。
5. 美容業界全体の停滞は未来への成長が阻害される
美容室の倒産が続けば、美容業界全体の停滞につながる可能性もあります。新しい才能が育ちにくくなり、業界全体の成長が阻害されてしまうかもしれません。
未来への成長を考えると、美容室の倒産は、決して他人事ではないでしょう。詳しいことはこちらで解説しています。
RIKA
美容室倒産を防ぐ8つで繁盛店に!
ここで美容室の倒産を防ぐための8つの対策で、あなたのサロンを「繁盛店」にしていきましょう!
美容室を繁盛店にする8つのチェック項目
今のあなたのサロンの現状を確認しながら以下の「繁盛店にする8つ」をチェックしていきましょう!
1. 自社の強みを明確にする「価格」か「価値」か?
まず、あなたの美容室の強みを明確にしましょう。「価格」で勝負するのか、それとも「価値」で勝負するのか、ポジショニングを明確にすることが重要ですよ。
過去の記事(2025年美容業界大予測!二極化と進化の波に乗る完全ガイド【美容室・美容師・経営者必見】)でも紹介したように、「高付加価値・高単価サロンと低価格サロンの二極化」が進んでいます。自社の強みを活かし、どちらの路線で勝負するのかを定める必要があります。
2. 顧客体験を徹底的に追求しリピート率を向上させる
お客様にとって最高の体験を提供できるよう、サービス全体を見直しましょう。オンライン予約の利便性、カウンセリングの丁寧さ、施術の質、お店の雰囲気など、すべての要素を改善する必要があります。
お客様に「また来たい」と思ってもらえるような、特別な体験を提供することが、リピート率向上につながりますよ。
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3. デジタルマーケティングを強化し効果的な集客戦略
美容室のデジタルマーケティングでは、SNSでの情報発信はもちろん、自社サイトやアプリを活用し、多角的なアプローチで顧客との接点を増やしましょう。
特に、InstagramなどのSNSは、集客に欠かせないツールです。ただキレイな写真を投稿するだけでなく、お客様とのコミュニケーションを重視した情報発信が必要です。
また、ライブコマースなども活用し、よりパーソナルな情報発信に力を入れていきましょう。
サロンのインスタ集客効果抜群10の方法とは?
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4. デジタルを導入し業務効率化と顧客満足度向上
予約管理システムや顧客管理システムはもちろん、AIを活用したヘアスタイルシミュレーションなど、最新のテクノロジーを積極的に導入しましょう。
美容室がデジタルを活用することで、スタッフの負担を軽減し、より質の高いサービスを提供できます。また、顧客満足度向上にもつながり、リピート率の向上も期待できますよ。⇒lineのショップカードの使い方で美容室は回転数アップ!具体例3つ
5. 人材育成に力を入れる。スタッフの成長がサロンの成長
待遇改善やキャリアパスの明確化など、スタッフが安心して働ける環境づくりが大切です。
スタッフの成長は、サロンの成長に直結します。スタッフ一人ひとりがモチベーション高く、楽しく働ける環境を作ることで、お客様にも良いサービスを提供できるでしょう。⇒sdgsはスタッフ不足の美容室を目標8「働きがいも経済成長も」実現達成!
6. 特化型サロンへの転換で新たな戦略も視野に
「特化型サロン」は、特定のニーズを持つお客様に特化することで、高い集客力とリピート率を実現しています。
例えば、ヘアカラー専門店や髪質改善専門店、ヘアカラーに特化した「白髪ぼかし」、アニメキャラの髪色再現専門店など、自社の強みを活かせる特化型サロンへの転換も視野に入れてみましょう。
7. 米国事例から学ぶ。グローバルな視点を持つ
米国の美容室業界では、経済状況に左右されながらも、テクノロジーの活用やサービス品質の向上で成長を続けています。
日本も米国同様に、テクノロジーを積極的に取り入れ、お客様のニーズに合った高品質なサービスを提供していく必要があるでしょう。また、世界的な視点を持つことで、新たなビジネスチャンスを見つけられるかもしれません。
8. 常に新しい情報にアンテナを張り変化を恐れない
美容業界は常に変化しています。新しい技術やトレンド、お客様のニーズの変化に、常にアンテナを張り、柔軟に対応することが大切です。
変化を恐れず、常に学び続ける姿勢を持ちましょう。⇒美容師の感性を磨く5つの方法で売れるヘアデザインを作ろう!
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まとめ・・・過去最悪ペースの美容室倒産ラッシュは三重苦が原因に。美容業界の危機に?!
2025年の美容業界は、さらに変化が加速するでしょう。しかし、変化はピンチであると同時に、チャンスでもあります。今回紹介した内容を参考に、現状を冷静に分析し、未来を見据えた戦略を立てていきましょう。
RIKAはこう思うよ
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RIKA
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