値上げラッシュはなぜ？美容業「据え置き82％」客離れが怖いと足踏み。

2023年2月9日

2023年6月6日

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向川 利果

　

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向川 利果

向川利果/元パリコレ美容師/美容トータルプロデューサー/トップブランディングプルデューサー/コンサルタント/デジタルマーケッター｜パリコレクション・東京コレクション等ナオミ.キャンベル・シンディ.クロフォード・ケイト.モスなどスーパーモデルを数多く担当。グローバルコングレス世界大会日本代表。国内外の豊富な実績や経験をもとに「売り上げ100万円」を目指している美容師やサロンにマーケティングをコンサルティング。異業種サロン系スーパーバイザーとして相談が後を絶たない。/テレ朝ワイドスクランブル・テレ朝サンデーステーション・読売テレビ・朝日出版社AERA解説

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値上げラッシュが続き、食品やエネルギー関連など幅広く、上昇率は40年ぶりの大きさ。今後4000品目も値上げが予定され「値上げラッシュ」の再来と言われています。

値上げラッシュはなぜ？美容業は据え置き82.3％で客離れが怖いと足踏み。日本政策金融公庫の調査では「販売価格を据え置いている82.3％」、「引き上げた15.3％」にとどまっています。さらに仕入れ価格上昇の経営悪化への影響は、「影響がある72.7%」と回答しています。

美容室が値上げの足踏みしているのは、値上げによる客離れ、来店間隔がもっと開き、結果的にマイナスになるんじゃないか、という不安だと思います。

しかしながら、値上げをするということはブランドの価値を上げるということ。さらにその価値をお客様が喜んで買ってくれること。値上げは事前準備を行い、計画的に実行し、アフターフォローで改善をしていくことで成功しますよ。

今日は値上げラッシュについて、公的機関のデータから美容業の値上げラッシュについて解説します。

美容業専門コンサルタントとして閉店ラッシュについてテレビ朝日で解説
⇒テレ朝ワイドスクランブル取材。美容室倒産過去最多について解説。

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値上げラッシュはなぜ？

値上げラッシュはなぜ？総務省の発表によると、「資源価格の高騰や円安などの影響で、エネルギー関連をはじめ幅広い品目の上昇が続き、上昇率は第二次石油危機後半の1981年12月以来、40年11ヶ月ぶりの大きさ」ということ。

「値上げラッシュ」の再来が確実となったのは、2月を中心に食品分野の4000品目超がすでに値上げを予定していること。

2022年12月分の消費者物価指数（2020年＝100）は生鮮食品を除いた総合指数が104.1で前年同月より4％上がった。上昇率は第二次石油危機後半の1981年12月以来、40年11ヶ月ぶりの大きさとなった

資源価格の高騰や円安などの影響でエネルギー関連をはじめ幅広い品目の上昇が続いている

都市ガス大は33・3％と前月より伸びが拡大、電気料金は21・3％

 

https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf
引用元：総務省　報道資料　2020年基準消費者物価指数

日本政策金融公庫が2022年12月に発表した、価格動向に関するアンケート調査結果によると、3129企業（生活衛生）の8割が仕入価格が「上昇した」と回答しました。その一方で「販売価格を引き上げた」と4割の企業が回答。（生活衛生関係営業の景気動向等調査特別調査結果2022年7〜9月期）

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美容業値上げ「据え置き82％」足踏み

では実際に美容業がどのくらい「値上げ」をしたのか？気になりますよね。

日本政策金融公庫が2022年12月に発表した、最新の価格動向に関するアンケート調査結果では、美容業界は仕入価格が「上昇した」42.4％、変わらない51.7％と回答。その一方で、販売価格を「据え置いた」は82.3%と回答。

つまり美容業の値上げの据え置きは82.3％、値上げをした美容業は 15.3%にとどまっています。

しかしこれは、このアンケートの調査が2022年7〜9月期で、社会全体の値上げラッシュではない時期。2023年にはエネルギー関連の急騰は、電気料金21・3％、都市ガス大は33・3％も上昇し、光熱費の上昇は確実となり影響がかなり大きいと言えるでしょう。

美容室で節電といっても限界があり、エアコンの設定温度や営業時間前後の節電くらいしかないでしょう。またシャンプーやその他施術でもお湯が必須なため、ボイラー使用時のガスや電気も節約が難しいところ。

このことから値上げを考える美容室の経営者は増えるでしょう。

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日本政策金融公庫の調査結果は

ではここで日本政策金融公庫が発表した内容を詳しく見ていきたいと思います。

日本政策金融公庫が2022年12月に発表した、価格動向に関するアンケート調査結果によると、3129企業の8割が仕入価格が「上昇した」と回答しました。その一方で「販売価格を引き上げた」と4割の企業が回答。（生活衛生関係営業の景気動向等調査特別調査結果2022年7〜9月期）

 

■仕入れ価格が前年に比べて上昇したと回答した企業割合は76.6%と、前年調査を31.7ポイント上回った

■仕入れ価格上昇の経営悪化への影響は、「影響がある」と回答した企業割合が90.7%と9割超を占めた

■今後1年間の仕入価格の見通しは、「上昇する」と回答した企業割合は77.4%、7割超を占めた

 

 

販売価格各動向

■販売価格を前年に比べて「引き上げた」と回答した企業割合は35.5%、と前年調査を22.8ポイント上回った

■今後1年間の販売価格の見通しは、「引き上げる」と回答した企業割合が43.5%と、前年chぷさを29.4ポイント上回った

 

 

調査の実施要領

調査時点　2022年8月上旬

調査方法　郵送調査

調査対象　生活衛生関係営業　3290企業

有効回答企業数3129企業（回答率95.1%）

（業種内訳）飲食業1432企業食肉・食鳥肉販売業152企業氷雪販売業54企業理容業420企業美容業459企業

引用元：日本政策金融公庫

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美容業の仕入価格の動向と経営悪化の影響は？

では詳しく美容業・理容業を見ていきましょう。日本政策金融公庫のデータを美容業・理容業を抜粋し、円グラフ（美容業のみ）を作成しましたので参考にしてくださいね。

1.仕入れ価格の動向

1.仕入れ価格の動向

2.仕入れ価格上昇の経営悪化への影響

仕入れ価格上昇の経営悪化への影響は、「かなり影響がある10.8％」「ある程度影響がある61.9％」を合わせると、「影響がある72.7%」になります。

2.仕入れ価格上昇の経営悪化への影響

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3今後1年間の仕入れ価格の見通し

3.今後1年間の仕入れ価格の見通し

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美容業の値上げの動向は？値上げ？据え置き？

美容業界の販売価格の動向（値上げの動向）を見てみましょう。美容業459企業のうち、値上げしたのは15.3％、据え置いたのは82.3％と回答。

4.販売価格の動向

4.販売価格の動向

美容室の値上げの告知についてこちら
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美容室の値上げの失敗事例はこちら
⇒美容室の値上げに失敗する3つの事例集。成功ポイント具体例付き。

美容室の値上げの失敗や値上げのタイミングについてはこちら
⇒美容室の値上げ失敗？値上げのタイミングと失客しないポイント3つ。

美容業の値上げの理由

さて美容業で値上げを実行した理由も気になりますよね。

日本政策金融公庫のアンケート調査の回答で、値上げ理由は「仕入れ価格上昇分の転嫁55.9％」と最も高く、次いで「商品・サービスの付加価値向上44.1％」となっています。さらに「商品・サービスの変更25.0％」と続きます。

さらに仕入価格の値上がりに対する経営悪化の影響は、「かなり影響がある10.8%」「ある程度影響がある61.9% 」と合計すると「影響がある72.7%」にものぼります。

ファーストカウンセリングについてはこちらの記事を読んでくださいね。
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5.販売価格引き上げの理由

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今後一年後は値上げする？

今後1年間で値上げを考えているかの回答は、「引き上げる28.5％」「据え置く70.6％」と回答。アンケート調査の段階ではまだ慎重なようですね。

6.今後1年間の販売価格の見通し

6.今後1年間の販売価格の見通し

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失客を防ぐ方法
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美容室は値上げを足踏み

美容室では「長年、値上げを実行できず、足踏みしてる」と経営者からもご相談が多いですね。

なぜなら仕入価格の上昇や原油高、光熱費の急騰以外にも、オーバーストア化、客数の減少、客単価の減少が続いているからです。厚労省のデータでは経営上の問題として、客数の減少が79.1%と最も多くなっています。

美容室では半径200m以内に同業者店舗が多く、1〜2店舗ある「個人経営の店舗　40％以上」「株式会社・有限会社の店舗　20％以上」「不詳の店舗　50％以上」となっています。

図9 半径200m以内の同業者店舗数の割合

 

引用元：厚生労働省　美容業　結果の概況

 

経営上の問題点別施設数の割合では、客数の減少79.1%、競合店舗の新規出店38.7%、客単価の減少24.7%となっています。

（図29）経営上の問題点別施設数の割合（複数回答）

引用元：厚生労働省　美容業　結果の概況

 

美容室が値上げの足踏みしているのは、値上げによる客離れ、来店間隔がもっと開き、結果的にマイナスになるんじゃないか、という不安だと思います。

しかしながら、値上げをするということはブランドの価値を上げるということ。さらにその価値をお客様が喜んで買ってくれること。

値上げは事前準備を行い、計画的に実行し、アフターフォローで改善をしていくことで成功しますよ。

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まとめ・・・値上げラッシュはなぜ？美容業「据え置き82％」客離れが怖いと足踏み

いかがでしたか？美容業の値上げは、アンケート調査時（2022年8月）にはまだ慎重でした。次回のアンケート結果が発表されたら、また解説したいと思います。

値上げラッシュなぜ？

• 資源価格の高騰や円安などの影響
• エネルギー関連をはじめ幅広い品目の上昇
• 上昇率は第二次石油危機後半の1981年12月以来、40年11ヶ月ぶりの大きさ
• 生活衛生の企業「仕入価格が上昇した8割」「販売価格を引き上げた4割」

美容業の値上げは？

• 仕入価格「上昇した」42.4％
• 値上げ「据え置いた」は82.3%
• 「値上げをした 」15.3%
• 光熱費上昇は確実。美容室の節電は限界

美容業の値上げの理由

1位　仕入れ価格上昇分の転嫁　55.9％

2位　商品・サービスの付加価値向上　44.1％

3位　商品・サービスの変更　25.0％

今後一年語の値上げは？

• 引き上げる　28.5％
• 据え置く　70.6％

美容室の値上げで足踏みなぜ

• 客離れ
• 来店間隔もっと開く
• 結果的にマイナスするかもという不安